万事屋の壁になりたい人

銀魂が好きすぎて空知先生の頭の中が見たいが故に考察もどきしてます。

銀魂が終わってしまった話

 


銀魂の最終回を終えて銀魂に関してあまり呟かなくなったその心境の変化に付いて

銀魂ファンとして、長々と綴らせてください。

 


結論を言えば

「これ以上もう何も言うことはない。」

 


と最終回を読んで思ったからなんです。

 

 

『前置き』

 

実は、最終回は万事屋解散派でした。

というのも理由が2つあって

①万事屋が続いてしまうと、その世界を見続ける事がもう出来ない。

置いてかれた気持ちになってしまうから。

 


銀魂のシビアさ、そして儚さが好きだった

 


そしてその銀魂に想いを馳せていた数十年間が無くなってしまうのが怖い。

という理由でした。

 


しかし実際、最終回の大円団を見て

銀魂と一緒に過ごしてきた数十年間がなくなってしまった。

という喪失感を感じなかった。

当たり前のように銀魂が居ない日常に帰れてしまった。

ある意味なにも感じない自分にショックも受けましたが、

 


これは銀魂が与えてくれた

銀魂の想いがちゃんと自分の中に根付いていたから」

が理由でした。

(この事に気づくまで1ヶ月くらいかかった…)

 


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『万事屋は解散しなかった話』

 


私は万事屋の儚さが好きでした。

 


いつか居なくなってしまうかもしれない。

坂田銀時は自分達を捨ててしまうかもしれない。

家族になる事も出来ない。

傍にいる理由を見つける事でしかここには居れない。

 


その切なさと葛藤している彼等達が好きでした。

彼等の葛藤を見て、自分も向き合おうと思えたから。

もしくは、その切なさと苦悩を自分が抱えている親近感が好きだったから。かもしれません。


だからこそ、

最終回は解散であって欲しいと思っていました。

その葛藤の末に向き合い、

解散する事で次に進んでいく彼等が見たかったからです。

私は、その切なさに胸が締め付けながらも、

人生ってそういう物だよな。

銀魂のリアリティさを受け入れて読みたかった。

 


ところが、銀魂の最終回の答えは

万事屋が続く事でした。

 

 

 

彼等が選んだ結論は

いつか迎える死のその時まで傍にいる覚悟と

そして、また敵が現れた時

それでも逃げずに護り合う覚悟でした。

 


全部全部受け入れて、

「ここにいたい、傍にいたい」

そんな不確かであやふやな形で

理由なく傍にいる選択肢を選んだ。

 


単純にハッピーエンドなんかではなく

また子も、万事屋も、他の皆も

これから先も葛藤と儚さを抱えて

それでも傍に生きてく。

という答えを出したんだと思います。

 


それを見て、

自分が好きだった儚さは銀魂から

消える事は出来ないんだと、

 


彼等のその強い意思と魂が

私の「人生ってそういうものだよな。」

万事屋は「大人になったから解散なんだ」

と思いたかった願望を追い越して

納得させてしまったんです。

 


なにより連載の数十年間が、

説得性を帯びていた。

いつの間にか読者として

彼等の選択肢の道のりに納得していた。

 


いや、万事屋の数十年間を通して、

 儚さに胸を締め付けられて

「人生ってそういうものだよな」と

読みたかった自分も一緒に成長していたのかもしれません。

 


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銀魂の魂が自分に存在してた話』


また、少々個人的な話になりますが、

 


銀魂最終回と同時に

自分の仕事がだんだんきつくなり、

辞めたい、逃げたい。という気持ちと

この仕事には自分の夢の地続きがある。

というジレンマにかられてました。

 


ピークの時は電車のホームから

到着のアナウンスが流れる度、

このまま飛び降りたら全部楽になるんじゃないか?と考える程。

 


そんな葛藤のなかで

 


「ダメでもいい、

出来損ないな自分がいても大丈夫。

でももし、そこに自分の得たいものがあるのなら、誰かを思ってその夢を叶えたいのなら、

自分と戦い続けるしかないんだ。

自分に勝ちたい。」

 


とふとした瞬間思えて、

ホームに飛び降りそうになった脆い脚で

踏ん張って立つ事が出来ました。

 


そう、いつの間にか自分の中に

侍の考えが根付いていた事に気づいたんです。

銀魂がそう言ってたから、と思わない程自然に

 


侍という概念が、

銀魂の数十年間の物語を読み続けたことで

自分の中に芽生えていたんです。

 


銀魂が自分の中に存在してる…

 

 

 

 


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『結論』  


上記の万事屋が続く選択と、

自分の中に根付いてた侍魂に気づいてから

本当に置いてかない物語だったなと

改めて思いました。

 


銀魂が終わろうと侍魂は自分の中に存在してた。

そして万事屋が、また子が

それでも傍にいる為に戦い続けると選んだ選択肢が

彼等が残した侍魂

空知先生が綴り続けた銀魂という名の

『侍の書』が

 


今の読者の世界に繋がっている。

 


それに、あの銀魂の儚さも、戦争をオマージュしたような描写も、風刺らしさのある話も

全部受け止めて銀魂は続いていて、

彼等が居ないこの世界でもなお、

その想いを受け取った読者がここにいる。

 


これ以上なにか言うことはあるのか?

解釈したいことはあるのか?

と問われれば

答えは「NO」でした。

 


勿論、創作が好きな方はこれからも

銀魂の事を沢山呟くと思います。

 


でも私のように解釈を好きなだけしたかった人間としてはもう何も言うまい。

と。

全て納得してしまったし、

空知先生が描いて来たものが全部今に繋がるのなら、

万事屋の過去も未来も、

全部受け取り方は変わっていく。

 

だったらもうこのまま、あのままの銀魂

素直に受け入れて、心にしまいたいなと思いました。

 

 

いや、もしかしたら既に勝手に心の中に万事屋が住んでいた。

だからこそ、彼等と共に自分が死ぬまでの次の物語を綴りたい。

 

そう思うようになってしまったのかもしれません。

 

『最後に』

空知先生の意図から逸れた受け取り方かもしれません。

 

ただ、物語を受け取った者が側のエゴとして

こんなに素敵な後味の漫画はこれ以上ないです。

単純に最終回ではなく、自分の中に勝手に住んでしまった、これからも続く物語になってしまったから。

 

 

『あとがき(?)』

改めて、銀魂が与えてくれた数十年間は

私にとって大きく、

気づいた時には自分の人生観が変わっているような作品でした。

今ここにいるのは全部銀魂のお陰です。

 

何度も壁にぶち当たる自分を

奮い立たたせてくれたのは、彼等と彼等の物語を綴り続けていた空知先生のお陰でした。

 

 

銀魂を最後まで書いてくれた事、

万事屋をまた結成させてくれて

本当に、ありがとうございました。

 

こんな素敵な作品に出逢えた事が私の人生の誇りです。

 

さようなら銀魂

ありがとう銀魂

 

またね👋

 

そして、多分これからも銀魂の事を呟きますが

これにて私の銀魂の深読みは終了だと

一区切りを付けたいと思います。

(銀魂を読み直した時に、

また深読みしそうなので付き合ってね)

 

とても楽しい時間でした。

また、色んなリプをくれた方、質問箱に沢山質問してくれた方、繋がってくれた方がいたからこそ、

私は今の自分でいられます。

素敵なファンに出会えた事が何より嬉しかったです。

また次の作品も何処かで会いましょう。

また知らない人として、ファンとして

出逢いましょう。

その時はまた、沢山の好きを一緒に語れたら幸いです。

 

一時でもフォローしてくれてた方、

今も繋がってくれてる方、

銀魂から離脱する方。

みんなみんなありがとうございました。

 

(ゆっこ)